明日もきっと、朝はパン

嘘は書かないようにしてる

夜明け

何回キリンジのエイリアンズを聴いても明けなかった夜が、今ではこんなにも一瞬で明けるようになった。きっと私のモラトリアムも、これでもう、夜明けを迎えてしまったということなんだろう。

夜が短い。社会人になって一番変わったことはそこな気がする。他のことは思ったよりも変わらなかった。むしろ今までの四年間の生活がまるで嘘だったかのようだ。

それでも本当に映画は観なくなった。大学生後半は、働いてもいないし学校にも行っていない、世間からちょっと離れた状況で、その中でちょっと浮いた人々の映画を観ていたからしっくりきていたけど、今ではすっかり毎日電車で輸送されて、休日しか遊べない一般人になってしまったからそういう映画への共感が薄れてしまった気がする。平日の昼間の景色が、今はとても愛おしい。

あっという間の毎日で、気づいたら週末になっている。だけど一週間があっという間に感じたところでまた次の一週間が待っているだけで、長期休みに近づくわけでもなく、進級するわけでもなく、なんだかどこに向かっているんだかよく分からない。

楽しくないとか辛いとか、人生それだけで日々を判断できないんだなぁと痛感している。

定年まで働くならあと約40年。もし結婚したり出産したら、それも中断して、自由には働けなくなって、それでもやっぱり自分の人生だからちゃんと働いていたくて、でもそれだけの人生はイヤで。

前回計画を立てすぎないでと書いたのに、やっぱりいろいろ考えてしまうデイズ。いつ死ぬかも分からないのに。

 

そして私は明日また一つ歳を取る。まだまだ心はモラトリアムなのに、体は毎日社会に出ている。

22歳はなんだかとっても長かった。一年後に働けているかも分からない状態で、あの頃はあの頃でモヤモヤしてた。もうずっとモヤモヤしてる人生なのかな。それはそれで悪くないのかもな。

答えが出てしまう方が、私にはよっぽど怖い。一生モラトリアムなのもごめんだけど、23歳、やっぱりもう少しこのままいさせてください。