梅の季節に
二度目の緊急事態宣言下。あからさまなお出かけはできないので、下町の小さな神社を散策する。
なんとなく思い付きで立ち寄っただけなのに梅が見頃で、思わず写真を撮ってしまう。池の石の上には亀が動かずに生きている。動かずにはいられない人間たちに不思議そうに見つめられながら、それでもじっと動かずにただただ陽の光を吸収していた。
在宅勤務続きの中、久しぶりに家から出たら日差しの暖かさを感じられる気候になっていて、ムズムズする鼻と目を擦らないように気をつける。今年もこの季節がやってきたな。
空の青と、梅の白のコントラストがとてもきれい。目の痒さと引き換えに素敵な景色を見ることができた。
梅の季節が終われば次は桜だな、まだ蕾すらつけていない桜の木を見ながら、4月に同じ場所で違う景色を見ることを楽しみに思う。今年は季節ごとにいろいろな景色を味わえたらいいな。それを楽しく思える人と。
なんて思っていたら、自転車の後ろに子供を乗せた母親が、梅の次に咲く花はなんでしょう?と子供に聞きながら横を通り過ぎて行った。大人にとっては何十回も経験した梅から桜への展開だけど、子供にとってはまだ5回くらいの経験なんだもんな。それを本当に素敵と思えるのはまだまだ先だろうけど。
なんていう私も、まだ本当の花の美しさなんて知らないのかもしれない。
何枚か撮った梅の写真をストーリーに載せるか何度も迷って、やっぱりやめた。ただ流し見されるだけなのがもったいない気がしたから。
先週は少々仕事がきつくて落ち込み気味だった。でも休日にこういう楽しみを味わえる生活を送っていることに感謝したい。また一週間が始まる。