3分
カップラーメンの3分は意外と短い。
この3分は、食べる前は果てしなく遠く感じるけど、気づくと3分。
バイト先の店を閉める1分前はとても長い。
この拘束が終わるあと1分。待てど待てど経たない1分。
ドラマの45分は短い。面白ければ。
どんなに時間をかけて作ろうと、短く感じる作品ほど良いものだ。
講義の90分は長い、長い。
その90分で教授は賃金を得る。私は?
あのアーティストのアルバムは約1時間。
短い?長い? いや、そんなの気にしていない。
映画の2時間は、難しいなぁ。
だけど、誰かのいつかの起承転結が2時間で終わるのだから、早い、のかもしれない。
6時間の睡眠は、ウルトラ早い。
意識的には2秒。
無意識の5時間59分58秒に、あの夢を見ている。夢には時間の概念がないようだ。
一日一日は、とても早い。
明日やろうときっと明日も思って、また明日。
バイトが早く終われと、明日も同じ時間に思っている。
そして、気づいたら1ヶ月。
また少し薄着になるかもしれないし、厚着になるかもしれない1ヶ月。
積み重ねて積み重ねて、また薄着になる季節がやってくる。
あと何回、薄着になる季節を経験できるのだろう。
60回?
あと60年。なるほど確かに、これは長い。
てことは、今の人生をあと3回できるくらいか。
60年。
あぁ、長い。長い。
そして、若い。若い。若い。
失敗も成功も、いくらでもできるのだ。
昇給だってなんだって。
結婚だってなんだって。
まだまだこれからだな。
よし。
ピピッピピッピピッ。
あぁ、そうだ。
カップラーメンの3分は、意外と短いのだ。