嘘
憧れ続けたあの虚構の世界が幻だったとしても
私はその世界に頼らずにはいられない
その虚構が私の現実を作ってきたことは事実だし、それは私が生きているひとつの理由みたいなものだからだ
小学生の時に出会った小説の世界や
ドラマや映画でセリフを放つ人たち。
嘘だと知っていながらもずっと、あの世界はあると思っていたい
私が作る虚構に、誰かがそんな風に憧れを抱いたり、糧にしたりしてくれたら
私はもう今まで憧れてきた虚構の世界に置いてかれることはないのだろうか
ドラマの最終回はいつも好きになれなくて、
映画の内容を目をつむる度に思い返す
ひとりで大好きな、大好きなあの世界に取り残されている